実録Q&A!成年後見制度【相続人の中に判断能力がない人がいたらどうする?】
弊所は後見人就任数3桁を数え、現在まで沢山のご本人を取り巻くご親族、福祉関係者等の方に後見開始の申立についてご説明させて頂く機会がありました。
申立前の面談の際、実際にご家族から今まで受けた様々なご質問の中で、特に多かったものを数回にわたりピックアップしてご紹介いたします。
Q:相続人の中に判断能力がない人がいてお困りの方
「私は本人の姉です。入院中の妹の面倒をみているのですが、先日一番上の兄が亡くなりました。私が相続について妹に説明したのですが、生来の知的障がいのため相続について理解が難しく、遺産分割協議が出来る状態にないと判断し同院の医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センターに相談に行きました。そこで成年後見制度の説明を受け、トラストさんだと後見業務だけでなく、相続手続も対応してくれると聞き、相談に来ました。今後、私が申立人となり後見の申立をしたいと考えています。相続人に当たる妹は判断能力が不足しているのですが、相続手続を進めることは可能ですか?」
A:司法書士法人トラスト
「ご質問ありがとうございます。おっしゃる通り、相続人の中に判断能力がない人がいる場合、遺産分割協議をすることができないので、裁判所で選ばれた成年後見人を交える必要性があります。トラストでは、申立書類作成から後見人就任、その後の相続手続までワンストップでご対応させて頂くことが可能です。
今回ご紹介したこちらの実際の相談事例では、トラストが申立書類の代理作成を行い、相談者のご本人のお姉様が後見申立を行い、トラストが後見人に選任されました。その後、後見チームと相続チームとで連携しながら、ご本人の保護を図る法的に正式な代理人として遺産分割を成立すべく手続を進めております。
ここで、成年後見人をつけた場合の相続について以下の注意点があります。
・成年後見人はご本人の利益のための行動をとるため、大前提としてご本人の法定相続分を確保することが原則となります。他の相続人の方からご本人の相続分をゼロにする等、ご本人の不利益に繋がる内容への調整を依頼されたとしても、応じることは出来かねます。
・基本的に相続人全員が合意をするのであればどのような遺産分割をしてもいいのですが、成年後見人を交えると前述のようにご本人の法定相続分の確保を前提とすることから、相続人間の意見がまとまらない場合もあります。その場合、トラストによるご相続人間の意見調整には対応しておりません。遺産分割をせずに法定相続分で相続するか家庭裁判所での調停を利用する方法をご提案することもあります。
ちなみに、本件は本人を含む相続人は他A様、B様、C様の計4名なのですが、以下の通り協議内容がまとまりました。
もちろん、大前提として本人の法定相続分以上を確保した内容です。
また、不動産売却にあたり、トラストで多数お付き合いのある不動産業者様をご紹介させて頂いたりと、書類作成だけでなく多角的なサービスを提供しております。
このように、
・不動産売却が絡むご相続
・後見人に就いた方の施設入所に伴い、空き家となったご本人のご自宅の売却
等にもスムーズに対応させていただけるのは、以下のように多岐にわたる業務展開をしているためです。
各チームが連携して業務を進められることから、極力ご依頼者様のお手を煩わすことなく様々なお手続きをサポートできることもトラストの強みと自負しております。
「遠方に住んでいる高齢の親族の支援が難しい・・・」「身寄りがいない・・」などお悩みの方は、経験豊富な 司法書士法人トラスト がお手伝いいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
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