成年後見制度の良し悪し

新潟県で、独り身のご高齢の方・障がいのある方の財産管理等の手続きをお手伝い致します。

司法書士法人トラスト成年後見業務担当の佐々木です。

 

 

 

先日、被補助人の方へ生活費をお渡しする為にご自宅へ伺った時の話です。

 

その方はテレビで【成年後見制度】について説明している番組をご覧になられたそうです。

その番組では【成年後見制度】を利用されている方の家族の生活に焦点を当てた特集が組まれたそうです。

 

家族のインタビューでは

「不明瞭で、実際に何をやっているか教えて貰えない」

「会いに来ず、お金の事だけ」

「家族以外の他人が良いように財産を使ってる」

「家族がお金を使えないから困る」

「制度を利用して良いことがない」

「やめたいけどやめることができない」

などなど、デメリットばかりが羅列され、スタジオでVTRを見ていた芸能人も【成年後見制度】に対してマイナスなイメージを述べていたそうです。

 

 

 

この【成年後見制度】に対するマイナスのイメージは、様々なメディアで何度も取り上げられているので、悲しいことに私は、この話を本人から聞いた時に「またテレビでやっていたのか」位にしか思いませんでした。

 

 

しかしながら、話を聞き進めると、本人は番組に対しとても憤っていたのです。

「後見人のことが皆から悪く言われていたのが凄く悔しかった。佐々木さん達はテレビで言われてた様な事はしてない。私は後見使って本当に良かったと心から思っている。」

と泣きながら話してくれました。

 

 

 

 

この方は、身寄りがなく、生活保護を受給されており、長年金銭に困っていらっしゃいました。

保護費が支給されてもお金を適切に使用・管理することが出来ず、貯金がありませんでした。

 

 

家賃や水道光熱費の滞納、そして少額ずつではありましたが負債が多方面にあり、督促状や電話等から怯える日々を過ごされていました。

食べるものも毎日困り、電気なども何度も止まった事があります。

 

 

そんな本人に私たち司法書士法人トラストが補助人として就任しました。

 

まずは生活費の収支バランスから見直し、生活を安定させる。そして負債については本人が返済できる状況では無いため破産手続きをする方針になりました。

補助人が家賃・水道光熱費といった生活に必須である支払いを行い、食費や生活雑費は本人に少しづつ渡し、“お小遣い帳”を付けてもらうようにしました。

(お小遣い帳は本人からもやりたいとの申し出があったため始めたものになります)

 

 

補助人就任前は、食費や嗜好品にかけるお金を優先的に支出していたため、家賃や水道光熱費を滞納する事態に陥っていましたが、就任後は収支バランスを把握することと、必要な支出については補助人が担うことで、“怯える暮らし”をする事が無くなりました。

 

本人はいつも生活費お渡しの時に、「いつもありがとう。」と感謝の言葉を述べてくれます。

本人は補助人として就任した私達、司法書士法人トラストに対して信頼を置いてくれ、いつも感謝の気持ちを表してくれます。

 

 

 

 

そんな本人がテレビ番組で見た内容は、自分が感じている【成年後見制度】とのギャップが凄まじかったそうで、信じられなかったそうです。

「番組を見なければよかった」

そう涙ながらに話す本人に、私も胸が熱くなりました。

 

 

 

成年後見制度】というのは、その人の状況によって感じ方が変わると思います。

テレビで取り上げられていたご家族にとっては“良くない制度”。

お話してくれた本人にとっては“良い制度”。

実際に私達も業務をする中で、携わる方々から感謝される事もあれば、文句を言われることも多々あります。

 

 

本人と周囲の方々にとって、どの選択が一番良いのか、慎重に検討する必要があります。

 

司法書士法人トラストでは現在140名程の成年後見人(保佐・補助含む)に就任しております。

また、年間の申立件数も何十件とあり、様々なケースの実績があります。

 

成年後見制度】が“良い制度”となるか、“良くない制度”となるか、是非一度ご相談ください。

 

 

 

 

最後に、今回お話してくれた本人は、

「トラストのおかげで人生やり直して頑張ろうと思えるようになった。今は安心して生活出来るし、会いに来てくれるから幸せ。これからもよろしくお願いします。」

と、嬉しいお言葉をくださいました。

大変なことは多いですが、これからも、このようなお言葉を頂けるよう、一人一人の人生を考えながら頑張りたいと思います。

 

 

「遠方に住んでいる高齢の親族の支援が難しい・・・」

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