成年後見人は連帯保証人になれるのか
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2021年5月31日
新潟県で、独り身のご高齢の方・障害のある方の財産管理等の手続きをお手伝い!
成年後見人業務をしております司法書士法人トラストの佐藤将武です。
今回は、施設に入所する際の「連帯保証人」についてのお話です。
特別養護老人ホームなどの施設に入所する際には、一般的に施設側から「連帯保証人を立ててください」と要求されます。この「連帯保証人」とは、入居者の債務を連帯して負う役割を担う人のことを言います。
連帯保証人がいないと、施設の利用料が支払われない場合等に施設側が損をすることになるため、予め決めておきたいということですね。なので、身寄りがなく連帯保証人が立てられない場合には、施設入所を拒まれる可能性があります。
では、もし身寄りのない方に成年後見人がついている場合、成年後見人が連帯保証人になることはできるのでしょうか?
結論としては、成年後見人は原則、連帯保証人にはなれません。
理由としては
連帯債務者が本人の代わりに債務を支払った場合、連帯債務者は本人から「代わりに支払った分を返して」という権利(求償権)があります。
成年後見人は、本人の財産管理を担う「法定代理人」であるため、求償権を行使しようとした場合、成年後見人自身に求償することになり利益が相反してしまうからです。
また、成年後見制度自体が、本人の債務を連帯して負う役割を期待しているわけでもないので職務権限外の行為となります。
では、身寄りがない人は高齢者施設に入所することはできないのでしょうか?
先述の通り、成年後見人は連帯保証人になることはできません。ただし、成年後見人がついている場合、利用料の支払い等に関して信用度が高まるため、連帯保証人なしでも入所が可能になる場合もあります。実際、成年後見人がついていれば連帯保証人はいなくてもよいとしている施設もあります。
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