被補助人の趣味

みなさん 好きなアイドルやアーティストはいらっしゃいますか?

今回は弊所で補助人に就任している方の趣味についての一例をご紹介します。

 

Aさんは、あるアーティストBさんの大ファンで、コンサートに行ったり、CDを購入するなどして長年応援してきました。

そんなAさんに軽度の認知症症状がみられ、財産管理が難しくなり、財産状況がひっ迫した状態となった中で、弊所で補助人に就任しました。

Aさんは、これからもアーティストBさんの応援をしていきたい!コンサートにも行きたい!という強い希望がある方です。

補助人として弊所では以下のような対応を行いました。

 

お小遣いのやりくりを見直す

AさんがアーティストBさんのファンを続けながらも、一定水準の生活を継続できるように、Aさん自身と相談をして毎月のお小遣い額を決めることにしました。また、Aさんは手元にお金があると、すぐに使い切ってしまうため、1週間に一度、本人が管理している口座にお小遣いを入金しAさんに使ってもらうことにしました。その他に、Aさんにはお小遣い帳をつけてもらい、お金の使い方について意識してもらうようにしました。

 

コンサートチケット購入方法を伝える

Aさんから「今度、東京で行われるコンサートに行きたい。そのために、チケットを購入する方法を教えてほしい。」との相談がありました。

購入方法を調べてみるとインターネットからの申し込みができることが分かり、Aさんに操作方法をお伝えし申込することができました。

 

東京までの交通手段を本人に伝える

無事にコンサートチケットを手に入れることができましたが、コンサート会場は東京です。Aさんはもともと、東京出身で土地勘はありますが、各駅が大きく変わってしまい、交通手段に自信がないとのことでした。そこで、新幹線の乗車券を手配し、東京からコンサート会場までの交通手段を調べ、しおりを作成し本人に渡し、説明しました。無事にコンサートに行って帰ってきて、Aさんからは楽しんできた感想をたくさん聞くことができました。

 

ご本人の生活状況や財産状況等にもよりますが、後見人等が就任したからと言ってご本人の趣味が全て制限されるわけではありません。

今回の例のように、Aさんは自身の希望であったアーティストの応援を諦めることなく、日々の生活を過ごしています。もちろん、Aさん自身の努力や周囲の支援者の力があってこそにはなりますが、Aさんからは、感謝の言葉をくださって、私たちもやりがいを感じました。