身寄りのない方が亡くなった場合の火葬と後見制度の重要性
近年、ひとり暮らしの高齢者が増加しており、
それに伴い、成年後見制度を利用する方も年々増えております。
しかし、成年後見制度は被後見人が亡くなった後の「死後の事務」は原則行うことができません。
そのため、被後見人がお亡くなりになった際にはご親族に火葬等の手続きをしていただいております。
では、身寄りのない被後見人等の場合はどうなるのか…
今回説明したいと思います。
身寄りがなく、成年後見制度を利用している方がお亡くなりになった場合、被後見人の類型によって対応が変わってきます。
【後見】類型の場合には、
家庭裁判所の許可を得ることで、後見人が火葬を進めることが可能です。
しかし、【保佐・補助】類型の場合には、
その申立をすることができず、死後の対応が難しくなります。
そのため、この場合には、自治体が「行旅死亡人」に準じて、以下のような最低限の葬送が行われます。
≪流れ≫
1 ご本人が居住している市役所の生活保護担当課に連絡
2 自治体による引き取り
3 一定期間の安置と公示
4 公費による火葬(簡易的な形式)
5 費用が本人の所持金を上回る場合には、自治体から相続人に請求
このように、親族がいなくても火葬は行われますが、最低限の処理にとどまり、故人の意志や尊厳が反映されることはほとんどありません。
☑ 成年後見制度が果たす役割
そもとも成年後見制度とは、判断能力が低下した方を、法律的に支援する制度で、
- 法定後見(すでに判断能力が衰えている場合)
- 任意後見(元気なうちに将来の後見人を決める制度)
の2種類があります。
身寄りのない方が安心して生活するうえで、特に任意後見は重要です。
☑ 任意後見契約と併せて重要な『死後事務委任契約』
死後事務委任契約は、本人の死後に行うべき事務を委任する契約で、司法書士など専門家が受任できます。
死後事務委任でできる主なこと
- 火葬・納骨手続き
- 葬儀の実施(簡易葬も含む)
- 遺品整理・住居の明け渡し
- 各種契約の解約(電気・ガス・保険など)
後見制度と組み合わせることで、
「生前の支援」+「死後の支援」 が一体となり、身寄りのない方でも安心して最期を迎えられる体制が整います。
弊所では、身寄りのない方・高齢者・おひとりさまに対し、サポートも行っております。
お悩みの方は、経験豊富な 司法書士法人トラスト がお手伝いいたしますので、お気軽にお問い合わせください。



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